意地悪なキミと恋をします。
「はぁ〜〜〜〜」
大きなため息をつく。なぜなら、今日は丸一日スポーツテストなのだ。
ほんっと…だるい…
「…体育の馬鹿野郎ー!!!」
いきなりガバッと立ち上がって叫ぶ私を、愛莉は変なものでも見るような顔で見上げる。
こ、こわいです、愛莉さん。
「いきなりなんなのよ。こっちはぽかぽか日向ぼっこ中なの、お静かにー」
なんて、柄にもなく体育座りで気持ちよさそうに目を閉じる愛莉さん。
「だって!!一日中グラウンドか体育館だよ!3年生の教室ここから見えるならまだしも!」
完全に1年生、職員室等棟でシャットアウト。
まじでついてない。
「あんたもあれだよねー。この前例の彼氏君と別れたと思ったらいきなり『私、優希先輩の彼女になる!』だもんね」
珍しく愛莉が口角を上げておかしそうに笑う。
私は高2に上がる2ヶ月前に付き合っていた他校の彼氏、雅人と別れた。
私から振ったんだけど原因は向こうにあって、何度も浮気を繰り返して、それでも好きでその度に傷つけらた。
別れた後も、他校とはいえ近所にある学校だから、見かけるたびに違う女の子と歩いていたり、まだ雅人が好きだった私はなんとも言えない感情で胸が痛くなった。
そんな中、高校2年生が終わり、今日から春休みに入るという日、私は先輩に出逢ったーーー。