意地悪なキミと恋をします。
先輩との出会い
ーーーーーー。
雅人への恋心を心の奥にしまいこんで、私は自分のために雅人と別れた。
なんども同じことの繰り返し。
「あーあ。なにやってんだろ…」
放課後、いつもとは少し違うお昼の日差しに照らされて、雲ひとつない空を見上げて呟いた。
なんだか今日は少し寂しい。
愛莉は先生の呼び出しがあるとかなんとかで、珍しく1人で帰ることにした。
愛莉がいないこともあるけど、違う。
自分の雅人への想いを捨てきれない悔しさと、まだ癒えない心の傷と、しまいこんだ恋心が、キュッと締め付ける。
ふと前を見ると雅人の学校。なんとか別の道を探したが、嫌でも通らなくてはいけない道なのだ。
雅人に会いませんようにっ!!
そう願って校門を通り過ぎようとした時、ちょうどタイミング悪く2人組が現れた。
「キャハハ!雅人ってば、なにそれ〜」
「っ!」
馬鹿みたいな鳴き声で吠える女と、
「まさと…」
私の声を聞こえたのかはわからないが、雅人は軽くこちらを見たがすぐに目をそらして、動物みたいにキーキーうるさい女に目を移した。
あぁ、まただ。
胸が、苦しい。
足が動かない。
気づけば私は2人の背が消えるまで、そこに立ち尽くしていた。
「ねぇ、キミこんなところでどうしたの?」