意地悪なキミと恋をします。
おい、お前むかつく
「…おせーよ」
そこにいたのは、
「誰、ですか?」
私と同じ体操着のかっこいい男の子。
うわー、かっこいい。
暗い茶色に染められた髪に、耳に1つだけ光るピアス、切れ長の目に通った鼻筋。
この学校どんだけレベル高いのよ。
そんなこと考えてる間に彼は先々体育館に向かう。
「ねぇ!ちょっと、あなた誰なんですか?」
「…」
なんだこいつ、待ってたくせにもっとゆっくり歩けよ!
返事くらいしなさいよ!
「何年生ですか?名前は?」
「…」
「…ちょっと!」
「…」
苛立ち始めた私に反して、何も反応することなくスタスタと私の前を歩く彼。
「ちょっと聞いてんの!?待ってたくせに、スタスタと…追いつけないっつーの!だいたいあんた何年とか名前とか聞いてんのに、答えなさいよ!!」
思わず失礼とか考えずに叫んでしまった。
うわー、やっちゃったやっちゃった!!
言った後で後悔をしまくる私。
そこでピタッとこれの足が止まる。
「…そんなに知りたきゃ、自分で調べれば?」
くるっと顔だけ半分こちらを向けて、すっごくむかつく笑顔で、彼はすっごくむかつくことを言った。
むっかっつっく〜〜!!!!
言い終わるとまたスタスタと歩き出す。
「あ、あと…あんた待ってたのは、まとめてこいって言われたから。以上」
それだけ言うと、ちょうど体育館に着いたので、彼は自分の靴箱に向かった。
なにあれ!いくらイケメンだからって、性格悪いじゃん!ナシナシ!
優希先輩の方が、何倍も優しいんだから…。