片道のRe:
「ワカ、部活どう?」

「んー、3年生が特に厳しくて。モモは?」

「バスケ部も厳しいよー。あ」


隣を歩く友達、モモが不意に顔を上げた。

視線の先には、上からぞろぞろと降りてくる集団。
そのジャージのファスナーが開いていることを確認して、私たちは壁に身を寄せる。


「こんにちはー!」


取り繕って元気な挨拶を飛ばしながら、集団とすれ違う。
下級生は相手を知っていようがなかろうが、上級生と顔を合わせた際には必ず挨拶をしなければならないのだ。

ようやく集団の最後尾が見えてほっとした私は、最後の「こんにちは」を飛ばそうと、俯き加減だった顔を上げる。


「こん――……」


通った視線に、息を呑んだ。

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