★MyHomeの秘密★♪
足音で凌兄があたしの真横くらいに来た時、靴の音が止まった。
反射的にビクッとした。
だけど。
凌兄は普通に歩き出した。
その時には、靴の音に混じって車のキーの揺れる金属音が一緒に聞こえるようになって。
「行くぞ」
そう一言、発した。
あたしは返事も返せずに、つぶっていた目を開けて、落ちそうな涙だけ手で拭き取って、
車の方へと小走りで歩いた。
バタンッ
車のドアの音が、いつもより耳に鈍い音で届いた気がして。
代わりにあたしは静かに閉めた。音がなるべくたたないように。