★MyHomeの秘密★♪


こんなことは、前にも何度かあった気がする…。
その度“気のせい”にしてきた。

だから今回のも、きっとそう。



そのお店から出て、ただぽつぽつと歩いていた。
目的なんてなんにもない。
乗りたいものも、思い付かない。

それをしばらく続けていたら、少しだけ前を歩いていた凌兄が立ち止まった。

…らしいが、あたしは気付かず歩いて背中にぶつかった。


「…ったぁ!」


「おい」

おでこを摩っているあたしに、凌兄は少しだけ低めの声で呼びかける。



ぼーっとしてたから怒られるのかな?と思って構えていた。


……けど、違った。

さっきとは違う、優しい声で。
今まで聞いたことのないような柔らかさで。


「本当に大丈夫か?具合悪いんじゃねーか?」


そう聞いて来た。
……それは反則だ。
そんな気遣うような顔、いまだかつてみたことない。



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