★MyHomeの秘密★♪
12HOME♪涙の恋うた、聞きたいです。
ピッ―…
と、あたしは小走りで走って追い付いた凌兄の服の裾を掴んだ。
いつものあたしらしくない。
遠慮がちに引っ張った。裾が少しだけ揺れる。
不安でしょうがなかった。
凌兄は驚いたのか一瞬肩を揺らして、あたしを見た。
その目が少しだけ大きくなっていて、「どうした?」と聞いてくる。
心臓が、破裂するかと思った。
壊れて死んじゃうじゃないかって…恐くて恐くて。
手が指先から震えてくる。
今なら泣ける――…
「…どーした?なんか買いたいもんでもあったか?」
凌兄は今どんな顔であたしを見ているのだろう。
顔をあげることが出来ないあたしは、俯いているからわからない。
だから想像すると、マイナスの方へと考えがいってしまう。