★MyHomeの秘密★♪



首を横に振る。
……違う。
そう伝わるように。





なんで引き留めたんだろう?
自分の心に問い掛けてみる。


“まだここにいたい”


そう思ったから。でも、
でも本当は違うんだと思う。



“まだ凌兄といたい”

“2人っきりで…いたい”


そんな気持ちがあたしの心の中の大きなところに存在して、
あたしを支配していく。

あたしを突き動かしていく。



「凌兄…」


「どうした? 栞、お前さっきからほんと変だぞ?」



凌兄は心配そうに眉を歪める。
それから背を屈んで低くし、あたしを覗き込む。


あたしの目は相当覇気が無かったんだろうか。

頬に手を触れようとした。
でも途中で、その手を止めた。


きっと…さっきのせい。



触れてくれればいいのに



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