★MyHomeの秘密★♪
そういうと、勇紀は困った顔をした。言いづらそうな様子で、部活指定のエナメルバックの胸元に来ている紐を握って、顔を上げる。
「凌兄…と何か、あった?」
目が合うと、あたしはそれを逸らした。
「…何にもないよ」
あたしはそういって歩き出す。それを勇紀は追ってくる。
「最近変じゃんか。凌兄と全然喋んねぇーし、避けてるみたいだし!」
勇紀はさっきまで遠慮がちだった態度を変えて、強い口調で言って来た。
あたしは唇をキュッとつぐむ。
聞かれたくない。
言いたくない。
だって元カノが嫌だとか
帰ってこないで欲しかっただとか
凌兄と喋らないで欲しかったとか
凌兄のこと、
まだ好きでいないでだとか…
こんな醜いこと思っている
あたし…
誰にも知られたくない。