★MyHomeの秘密★♪



冬兎は寂しそうに笑った。


でも…嬉しそうでもあった。



「…2人は似てるから。いつも口喧嘩してたけど、結局は気が合ってたよね」



冬兎は何が言いたいんだろう?



「…栞はどっちを選ぶの?」


凌兄か、勇紀か。

どうして凌兄って…即答出来ないんだろう?


あたしは思わず俯いてしまう。


なんでこんなことになったんだろう?



「……選べないなら、2人とも選ばないって選択肢もあるんだよ…?」


あたしは顔をあげ、不意をつかれたような顔をする。



なんで、冬兎は悲しそうなんだろうね?

馬鹿なあたしには、分かってくれるのに分かってあげることは出来ない。



「僕は栞の幸せを願ってる。」


強い強い意思の篭った言葉。



「だから――」



長い長い沈黙の後だった。
冬兎はポツリと言った。







「幸せだと思う方を選んでね?」




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