★MyHomeの秘密★♪
「あれ、持ってくから返してくれねぇ…?」
あたしの目の前に立つ整った顔立ちの凌兄の顔を見ていたら…切なくなった。
ここ何日か見ていなかったせいで、すごく懐かしさを感じて…無性に涙が込み上げてくる……。
またコクリとだけ頷き…あたしは部屋の中に入った。
凌兄は――廊下で待ってる。
ぼーっとしている。
目の前に突然現れたものに、頭が追い付かない。
ぽと…っ。
ようやく理解したところで、あたしの目からは涙が落ちた。
それを慌てて拭い取り、あたしは凌兄が探しに来た“辞書”を捜す。
それは、机の引き出しに入っていた。と、同時に発見してしまった…。
あの、“写真”。
どうすればいいだろう?
このまま本人に手渡すか。
それとも素知らぬフリして、
辞書の間に挟んでおくか。
どっちもあまりいい策には思えない。