★MyHomeの秘密★♪
「…今は違う」
その声はどこか切なげに。
はっきりと、あたしに伝えてくる。
びっくりした。
そんな声は聞いたことがなくて。
だから――…信じてしまいそうになる。
でも…それじゃあなんで、
キスしてたの?
その疑問が残ってしまう。
そんなことを突然言ってくる凌兄がよくわからない。この状況も。
あたしには……関係ない。
だんだん、熱から冷めて冷静になる。
「そうなんだ」
びっくりするほど淡泊な声が出たかと思うと、
あたしは凌兄を押し、その腕の中から逃れる。
信じて、また期待するのはもう嫌だ…。
この気持ちが、また膨らむのは嫌だ。
…嘘つき。
凌兄が好きなのはあたしじゃないんでしょ?
そう言えれば楽なのかもしれないのに、恐い。
あたしの気持ちがバレてしまいそうで、恐い。
はっきりそう言われるのも、恐い。
結局あたしは…
「もう寝るね…ッ」
………逃げようとする。