★MyHomeの秘密★♪
「わかってる。我慢しろ…これが最後だ」
そう…返ってきた。
“これが最後だ”
離してと、言ったのは自分なのに……離して欲しくないと思ってしまった。
肩の力がスッと抜けていく。
抜け出そうとしていた腕の中に、大人しく収まる。
「…じゃあなんでこんな事するの?」
それは自分の中で問い掛けたはずだったのに、呟いていた。
最後に、こんなことをしないでほしい。
心が揺れてしまう。
心が揺さぶられてしまう。
凌兄を好きな気持ちが、消えなくなりそうだから。
…聞かない方が良かった。
『好きだからだ…』
それが耳でぼんやり響いた。
゙悪い″
気付いたら、パッと温もりは消えていて。
凌兄も薄明かりに消えていく。
今の出来事が夢みたいに。
あたしだけがその中に置いてかれ、リビングの床に崩れ落ちた。
頭がおかしい。
今のは――…幻聴?
心臓が鳴り響いて、止まらなかった。