★MyHomeの秘密★♪
あたしは凌兄にぐいぐい引っ張られ、玄関まで連れてこられた。
ドタドタ大きな音に、みんながこっちを向いた。
やっぱり、みんなここにいたんだ…。
玄関の前の床には、本人の代わりに大きなボストンバックが置かれていた。
…やばい。
みんないろんな顔して、あたし達を見てくる。
変な緊張が湧いて来て、思わず繋いでる手を離そうかと思った。だけど逆に、凌兄は更にあたしの手を強く握る。
オロオロするあたしに、凌兄は冷静で、改めて歳の差を感じた。
お母さんの前に来て、真剣な面持ちで見据える。
「母さん。あのさ…」
『引越しは中止かしら…?』
口を開いた凌兄の言葉を遮る。一瞬驚いてから、ああと頷く。
あっさりな感じに、あたしすら拍子抜けする。
『あの言葉はナシでいいのよね?』
あの言葉…?
それにも凌兄は頷いた。