★MyHomeの秘密★♪
「…失礼します」
あたしはその場から離れた。
里夏さんにあたしの気持ちを知ってほしかった。
なんて、とても勝手な話。
けど…すっきりできた気がする。
「“好きな奴がいるんだ”」
里夏さんが言葉を発したので、あたしは足を止め、振り返った。
「あたしが、パリに留学する前に言われたの」
彼女は俯きながら、でもはっきりと口にする。
「それまであたしたち、うまくいってるんだと思ってたのに突然…。別れるつもりなんかなくって、遠恋する気でいたあたしにあいつ、こう言ったのよ」
里夏さんがあたしの目を見た。
睨んだりとかじゃなく…ただ真っ直ぐに。
「…もーなんかどーでもいいわ。ずっと他の女想ってる奴興味ない。それにあいつ、意外とヘタレだし」
思わず笑いそうになってしまった。
里夏さんも…微かに笑った気がした。