★MyHomeの秘密★♪
箱の中には、キラリと光る小さなダイヤが埋め込まれた、大きさの違う2つの指輪が入っていた。…婚約指輪。
「貸せよ」
なにがなんだか放心状態のあたしは、ちょうど信号で停まった凌兄に渡す。
受け取った凌兄は小さいサイズの指輪を取ると、あたしの左手を掴み慣れたようにスッと薬指に入れた。
驚くことにサイズがぴったりだ。
「…な…なんで……?」
「阿保かお前は」
ムッ。阿保じゃないし!
「俺と、結婚して下さい。」
へ…?
驚いて凌兄を見たら、信号が青になり車が動き出す。
微かに凌兄の顔が赤く見えるのは気のせい?
「…まだちゃんと言ってなかったろ?」
凌兄の横顔から、そんな声が聞こえてきた。