Basket Ball Club〜ずっと大好き〜
何も聞かない、触れない母の優しさが私の心を動かす。
「もぉ大丈夫。ありがとう。何も聞かないでくれてありがとう。」
そういうと母は笑顔になり、
「あんたは溜め込むタイプだから辛くなったらお母さんにいつでも相談しなさい。あなたのことを一番理解してるのはお母さんなんだからね。無駄に親子やってるんじゃないんだからねっ!!」
「うん、お母さん…本当にありがとう。」
私はそう言い自分の部屋に戻った。
そう考えれば…確かに今まで母に相談したことはなかった。
この機会相談してみようかと思った…。
でも今日の私にはあの出来事は思い出したくなかった。
だとしても…きっと母に話すときには思い出さなきゃいけないことなのかもしれない…。
でも、今日の私にそれを乗り越える力が残っていなかった。
すると…ヴゥーヴゥーヴゥー…
机の上で激しく携帯が鳴った。
誰だろう?って思った。
表示欄には“真央”の文字。