君だけの王子になるために I
海東の行きつけの店に来た


「今日は連れか?珍しいんだけど?誰?」

「俺の彼女の田中美桜だ」

「はじめまして、田中美桜です」

海東にしては、可愛い系のいつもと違うタイプだ。
笑う顔俺好みだ。

「俺は海東の友人の隼人って言うんだよろしくな」


「はい、よろしくお願いします、海東専務にしては、ミスマッチな・・・おしゃれな」

「おい、田中俺だとなんだ?」

「まあ、いつものように高級なレストランで女性を落とすか?はたまた気に入らない女性とは汚い居酒屋だと伺ってます、私ってどちらにも入らないから」

「なら俺の事はどう思ってんだ?」

「・・・・・私は誰も好きにはならない、彼女になりたくない、今まで通り上司と部下です」

「美桜さん、何故?」


「いくら兄貴だとしても、私と付き合ってると、由紀さんにいいくめられていきそうだから」


そうよ、あの甘えた声に靡かないっているの?
拓海にしても精二にしても、私が見たことのないデレデレした顔で・・・

胸の奥が苦しくなって
鼻がつんってして
今まで泣けなかった涙が頬を伝った




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