君だけの王子になるために I
会議中の海東
空耳を聞いた
『匠さん、楽しかった、ありがとう』
温かい風が頬に当たった。
「美桜?」
所長が会議室にあわてふためき
「田中が・・・・・・」
「美桜がどうした?」
「事故にあった、総合病院に運ばれた、意識がない、海東早く行け」
やっと幸せになろうとした矢先に
何故なんだ?
美桜が幸せになることを誰が奪って行くのか?
タクシーに乗るのももどかしい
早く行け、
早く行け
美桜が・・・・・・
病院に着きました、息もできないほど
顔面蒼白な海東
「手術は成功しました、あとは目覚めてくれさえしたら・・・・」
「ありがとうございました」