嫌いだけど…しゃーなし
「なあ…千尋?」
「なに」
…今の返事はさすがに素っ気なさ過ぎたかな?
「千尋が思ってる以上に俺 千尋と話せないの寂しいよ?知ってる?」
「知るわけないじゃない」
そんなこと
いつも友達に囲まれてわいわいしてて
笑ってて楽しそうなんだから
私と話せなくて寂しいとか 嘘にしか聞こえないよ
ばか
「そんな嘘 つかないで」
「…嘘じゃないよ ……嘘じゃない」
そう言いながら今度は眉毛を下げてシュンと寂しそうに笑うから…
私が悪いことしたみたいじゃない
そんな顔しないでよ
「……ぅん…ごめん……」
久々にふたりきりの道はいつも歩いている歩道より狭かった