掌
駅の近くのコンビニで、適当にお菓子やアイスを買って、健太君についていく。
真奈美もあたしも、初めての場所だからどこか落ち着かず、ただの住宅街なのにしきりに辺りを見回していた。
急に健太君が、小さな洋風のアパートの前で立ち止まり
「ここここっ!」
と言いながら、アパートの階段を登って行く。
こんな可愛い所に、住んでるんだ……。
また1つ、池内君を知れたあたしは、弾むように階段を登った。
ピンポーン
表札には、《池内》。
久しぶりにしゃべれる……。
トクントクンと、小さく胸が鳴りだした。
ガチャ
「おー。」
池内君……
……ジャージ……。
「お前ジャージかよっ!」
健太君が、池内君の格好にツッコミながら、部屋に入っていった。
「土日はジャージなんだ。楽だし。」
確かに楽です。
ジャージなんて、楽この上ないです。
でもなんか……
自分のスカートを見つめ、自分を慰めた。
あたしバカみたいぃ〜!