掌
「達也〜おはよ〜!」
「おー」
今日は二人で映画に行くのだ。
街の方で待ち合わせて、外の空気とは真逆の、涼しい静かな空気が漂う映画館に入っていく。
「俺この映画ずっと見たかったんだよねぇ。」
映画のパンフレットを見ながら、ニコニコする達也。
「そっかぁ!楽しみだねぇ。」
あたしは、達也の機嫌がよくてニコニコ。
達也の機嫌がいいと、どこかホッとするあたしが最近いる。
映画を見終わると、ぷらぷらと街中を歩く。
「面白かったなぁー。」
「ね!最後のシーンとかヤバかった!」
太陽の熱と人混みの暑さにも関わらず、あてもなく手をつないで歩く二人。