掌
「ごめん。あたしは行けないやぁ…」
断らざるえない。
「えーっ!なんでぇ?!」
大げさなほどに驚くユキちゃん。
「ちょっとね。」
笑顔でごまかそうとするけど、ユキちゃんは引き下がらなかった。
「いーじゃん来てよー!みんな来るんだよぉ?!」
真奈美は、もう参加する事にさせられたみたい。
うまい言い訳が思いつかず、困った笑顔をし続けるあたし。
「まぁまぁいいじゃん。無理に誘わなくても…。」
あたしの心中を察してか、真奈美が助けてくれた。
でも……
「みんな揃わなきゃ意味ないし!絶対来てね!絶対だからね!!」
強引にあたしを参加メンバーに決めて、ユキちゃんは嵐のように去っていった…。
「どうしよ……。」
「ちょっとだけ顔だして、すぐ帰ったら?場所は居酒屋だし……、お酒入ったら誰がいなくなったとか分かんないしさ!」
「そだね…。」
顔出すだけじゃなく、クラスのみんなと騒いで楽しみたいな…。
でも達也が………
少しだけ
達也の存在を煩わしく思いそうになって
激しく首を横にふるあたし。