掌
ブチブチッ
「来い!」
「やぁ!!」
達也が、あたしの頭を強く鷲掴みしたために、髪が抜ける。
でも、そんな事お構い無しで、達也は髪を掴んだままあたしを引っ張っていく。
道行く人々は、怪訝な眼差しをあたし達に向けるが、決して助けてはくれない。
そして、ひと気のない小さな公園に連れてこられた……。
恐怖で頭が真っ白。
汗は絶え間なく流れ
体が小刻みに震える。
「…た…つや……ごめ…」
あたしの言葉を遮るように
達也の拳が、あたしの頬に当たる……。
「お前は……俺の事何も分かってない!」
「ごめ…ごめんなさ……」
恐怖と頬の痛みで目も開けられず、公園の土の上でうずくまるあたしには、謝る事しか頭にない。
「酒飲んだのか?!男がいるのに…なんで……!」
達也は、ここが外だということも忘れ…叫ぶように怒鳴り散らす。
そして、休む事なくあたしを殴ったり蹴ったり……
うずくまっても、髪を引っ張り上げて立たされる。でもすぐに痛みに耐えられなくて、地面に倒れこむ。
達也はずっと叫んでいるけど、何にも聞こえない。
目の前は闇。
痛い…痛い……助けて………
その時……
「やめてぇーっ!!」
あたしをこの暴力から守ろうとする
二人が……