掌
直接、会って別れを告げたい気持ちはあった。
「会って別れ告げるなんてダメだよ。今の達也君なら……」
真奈美の言いたい事は分かる。
あたしも、そう思ったから…考えるだけで背筋が凍ってしまう。
だから、真奈美についててもらってメールをした。
【別れてください。】
こんな一文打つのに、1時間もかかっちゃった……。
初めてのメールも
最後のメールも
あたしは可愛げのない文章で、短文なのに時間がかかって………
違うのは、最後のメールは、涙で画面が見にくいって事だけ。
この涙は、やっぱり悲しいからかな?
達也の彼女じゃなくなるのが、悲しいからかな?
でも、もう一緒にはいられない。
だから、送信してすぐにかかってきた電話も、でられないよ。
達也、いっぱい好きだったよ。
達也は、どう思ってあたしに手をあげてたのかな?
好きな気持ちからくる感情で…ってあたしは信じてるね?
今となっては、分からない事だけど
あたしは信じてる。
達也の、好きって気持ちだけは変わらなかった。
そう信じてる。