掌
真奈美ごめんね。
きっと、今のあたしを必死に止めるだろうね。
けど、あたしは止まらない。
あの冷たい目も、達也の細いたれ目で
あの真っ赤な顔も、達也の顔で
あの痛め付ける拳も、達也の暖かい掌なんだ。
どんな達也も達也なんだよ。
全部……
あたしの大好きな達也なんだ。
だから、あたしは止まらない。
どんなに恐怖で足がすくんだって
消えたはずのアザが痛んだって
あたしは大好きな人の元へ走る。
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