掌
達也の部屋は、いつもより物が散乱して汚くて…
あたしと別れた後、どんな生活をしていたのかを感じさせる。
「急に……どうしたんだよ?」
畳の上に散らかるカップ麺やペットボトルの空などを避けて歩き、ベッド座って達也が小さく呟いた。
「……達也に会いたくなったから来たんだよ。」
あたしもベッドに座り、真っ直ぐ達也を見ながら、はっきりと言う。
達也は驚いて、そして小さく笑っていた……。
「今までメールと電話、無視してごめんね。」
達也は俯いて、ベッドの青を見つめている。
「あたし……達也が大好きだよ………。」
本当に………。