「わかんねぇよ俺…好きなら、一緒にいるんじゃねぇの…?!」


首に巻き付く大きな掌に、少しずつ力が入っていく………。



「達……苦し…いよ……」


ギリギリと首が絞まっていくのが自分でも分かる。

空気が体の中に入らなくて、口が乾く。

でも、なんか冷静だ。



「歩が他の奴にとられるくらいなら………っ」



達也の涙がこぼれる目は、あたしを通り越して、どこか遠くを見ていた。


「ぁ…っ……く……」


息ができない。


頭がぼーっとしてくる。




でも……大好きな達也の掌なら……あたし死んじゃってもいいかな………。



なんて考えてた。



気が遠くなっていく……。







達……也…────────。




















< 172 / 216 >

この作品をシェア

pagetop