掌
あの二人で、頭がいっぱいだったから、健太の気持ちに気付けなかった。
すると、突然私の携帯が鳴った。
【今日泊まりに行ってもいー?急にゴメン↓↓】
歩からのメール。達也君とは、もうバイバイしたのかな?
断る理由もなくOKのメールをする。
「今から歩来るってー。別にいいよね?」
「マジで?いーよいーよ。久しぶりに三人で話そーや!」
1年の時、仲良かった三人が今から揃う。
歩の話しもいろいろ聞きたいし……早く来ないかなっ♪
ピンポーン
私は、その弾むようなインターホンの音がとても待ち遠しくて……
鳴った瞬間、急いで玄関の扉を開けた。
そこには、私が待っていた歩は居らず……傷だらけでも尚、笑顔をつくろうとする必死な歩がいた。
私が何を言っても、歩は、最後までその笑顔の仮面をつけたまま、私に背を向け、眠りについていった。
私には、歩を救う事ができないの……?
ベッドに潜り込んでも、全然寝付けなかった。