掌
3日後
健太に、買い物に付き合ってほしいと言われて、二人で街にくりだす事になった。
精一杯オシャレをして、久しぶりのデートに心を弾ませて地元を離れた。
次戻ってくる時は、ここで歩に会う事になるなんて、思いもせずに……。
健太と合流して、3時間くらい経った時
♪♪〜♪♪〜♪♪
私の携帯が、元気よく鳴った。
「あっ歩からだ。」
何も考えずに通話ボタンを押すと、本当に歩なのかと疑ってしまうほどの、小さな低い声が私と会いたいと言う。
「歩ちゃん何だって?」
「ん…いや……。」
歩は、買い物が終わるまで待つ、みたいな事言ってたけど……あの雰囲気と、いきなり会いたいだなんて……
またなんか、達也君にされたのかな?
行かなきゃ…!
いてもたってもいられなくなった私は、駅に向かって走りだした。
「健太ごめん!私帰らなきゃ!ほんとごめんね!!」
何か言いたげな健太を残して、私は歩の元へ走る。
歩が心配で心配で……
呆然と立ち尽くす私の彼氏の事なんて、頭からすぐ消え去ってしまった……。