掌
健太と別れた事を聞いた歩は、とても悲しそうだった。
執拗に、詳細を聞いてくる事はなかったけど、歩は元気がなくなった。
笑顔も作った物ばかり。歩は、ばれてないつもりだから、騙されてあげるんだ。
少しずつ、本物の笑顔になっていけばいいと思ったから。
でも、達也君が学校を休むようになったのを聞いて、歩は笑う事すらなくなった。
携帯をチラチラ気にしては、いつも、窓際の席で外を眺めながら、考えにふけっていた。
何を考えてたの?
自分の中で、どんな結論がでて、達也君の家に言ったの?
少しでもいいから、何を考えてたのか、相談してほしかった……。