掌
「いらっしゃいませー。」
コンビニに入ると、みんなバラバラに散っていく。
特に、コンビニに用のないあたしは、お菓子売り場に直行。
お菓子は、見てるだけでなんか楽しくなる。
食べた方が、もっと楽しいけどっ!
「♪」
「食べたいの?」
目を輝かして、お菓子たちを見ていると
背後から声がした。
「健太君!用事済んだの?」
「え〜あぁうん。まぁね。それより、歩ちゃんって、お菓子好きだよなぁ〜。一年のとき、しょちゅう、お菓子食ってたもんな。」
うわ、なんか恥ずかしい記憶もたれてる……
「まぁね〜。よく、みんなでお菓子パーティーとかしたもんだよ。」
「お菓子パーティー?!何それ!やりてぇ!」
大きな目をさらに大きくして、健太君が食い付いた。
「じゃあ…やる?」
予想外の、健太君の反応に、若干、苦笑いをしながら誘ってみた。
「やろー!真奈美と達也と四人でさ!!」
「いいけど…健太君て、そんなにお菓子好きだったっけ?」
「ん〜まぁね。あっ、真奈美と達也だ。」
レジに並ぶ二人を見つけて、健太君はあたしをお菓子売り場に残して去っていった。
なんか……変なの。
コンビニを出る頃には、外はもう暗い。
「じゃあね〜。」
「ばいばーい。」
男子二人は、自転車にまたいで早速と帰っていき、電車組の女二人は、駅に向かって歩きだす。
「そういやさ、今度、今日の四人で、お菓子パーティーやるってさ。」
「マジで?何で急に。」
ははっと笑いながら、真奈美は、当然思う事を聞いてきた。
「なんかお菓子パーティーの話ししたら、健太君が食い付いてきて。」
本当急だよなぁと、思いながら答える。
「本当に?あいつお菓子とか、あんまり食べないけどな……。」
え?何それ
二人で、健太君を謎に思いながら、帰路についた。