掌
達也とバイバイして家に帰った後、急いで殴られた所をアイスノンで冷やす。
「うわ〜また青くなってる……。」
鏡に写るのは
肩、腹、腕、足…
全身の至るところが青くなったあたしの身体。
最近、アイスノンがかかせない。
もし腫れちゃったら、また真奈美に心配かけちゃうもんね。
真奈美には心配かけたくない。
それに、達也を悪者っぽく思われたくないもん。
彼氏としての達也を、否定してほしくないもん……。
でも、一人で部屋でアザを冷やすあたしは、惨めだ。
でもそんな時、携帯に貼られた達也と健太君と真奈美とあたしが写ったプリクラと
達也とおそろいの、ヘンテコなストラップが、あたしを笑顔にしてくれる。
プリクラは、前に四人で遊園地に行った時に撮ったやつ。
達也は健太君には気を許してて……
あたしが、健太君としゃべっても何も言わない。
あれから、あたしは健太君と達也以外の男の子としゃべらなくなった。
別にいいんだ。
達也と健太君と真奈美がいればさ。