掌
「うお〜〜!!」
「海だぁあ〜!!」
夏休みに入って、一番最初の予定。
電車に揺られる事一時間……
やってきたのは海!!
あんなに億劫だった海も、来てみると夏の空気がいっぱいで、なんか興奮する。
急いでオニューの水着に着替えて、四人で熱い砂浜をひぃひぃ言いながら、海に向かって走っていく。
「あれ?歩それ着たまま海入るの?」
タオル地のパーカーを着たままのあたしに、真奈美はやっぱり疑問を抱いたみたい……。
「焼けたくないからさぁ〜これ濡れてもいいし!」
焦りつつも冷静に、本当っぽい嘘を並べる。
「あぁ〜確かにね!」
真奈美は納得してくれて、冷たい海に入っていった。
もし、アザがあるから隠すため……
なんて言ったら、絶対真奈美はすぐ近くにいる達也に怒りに行っちゃうよ。
なんとかごまかせた事に安心しつつ
アザがばれませんように……と、願いながら海で遊んだ。