平安異聞録-お姫様も楽じゃない-



家柄で女を選ぶなんて、結局はそんな結婚生活長続きなんてしないのよ。



そのうち、殿方がよそに新たな姫でも作るのでしょう。



幸せに過ごせるという、保証がないのだもの。



だからアタシにとって貴族の姫の生活は幸せなものでも、羨むものでも無い。



それに、政権争いの道具にされてしまうから…



ほらまた…



「姫様〜、姫様ぁ〜!!」



「姫様、どちらに居られますか?姫様?」



「書き物の時間ですよ、姫様?」



「姫様、返事をしてくださいませ。」



はぁぁ



何人もの女房の声がアタシを探している。それに、ほとんどが厳しく頭の切れる者ばかり…。



これは、お祖父様が選りに選りをかけて集めたのだから当たり前だけれども…



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