そこはかな秘密
「……なんで知ってるの」
「好きな人のことを知りたいと思うのは、当たり前でしょう」
何、これ怖い……
かたん、と腰がデスクに当たる。追い詰めたことがわかって、彼がゆっくりと近づいてくる。
「……自分が想うほどあなたに好かれているとは思っていません。もう少しあなたが俺を好きになってくれたらいいのに」
「誰なの?」
綺麗な瞳を見開いて驚いていても、イケメンはイケメンなんだな。
「やっとあなたに興味を持ってもらえた」
花の咲くような笑顔とはこのことだろうか。男でしかも年上なのに、この無邪気な可愛らしさといったらない。
ドキドキと鼓動が早いのは、緊張してるから…だ。こんなに近くで、イケメンと密着しているからなんかじゃ……ない。
「俺はずっとあなたのそばにいましたよ」