そこはかな秘密


「もしも自分が、あなたの力になりたいと言ったら信じてくれますか? 」

「えっ……」

「自分なら、あなたをこんなふうに泣かせたりしない」


驚いて顔を上げると、真剣な表情で見つめられていた。


「もう泣かせないし、頼ってほしい。甘やかしてやりたいし、たくさん可愛いがってやりたい」


するりと滑ったら手のひらが、髪を撫で中に差し込まれる。感触を確かめる手つきが優しくて、ほっと息が漏れる。


「俺を見て。俺だけ好きになって」


切なく顔を歪めて見つめられると、ドキドキして胸が苦しくなる。


「すぐにじゃなくてもいいから、好きになって。俺はずっと待てるから」


差し込んだ手のひらで首の後ろを固定して、親指が耳の下で顎を上げる。切なげに笑った顔のまぶたが閉じられ、触れるだけの優しいキスが落とされる。
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