我那覇くんの恋と青春物語~桜沢紗希編~
狭間の距離
気持ちが重いときの学校は、ただ憂鬱でしかなかった。



昨日、さくらさんと話したとき、二人の想いはこれからも続いていくものだと思った。

しかし、夜になって彼女からの電話はそうではなかった。


「ごめんなさい」


泣きながら、何度も何度も彼女は謝り続けた。

そして、最後に一言。


「今日のことは・・・全部忘れて下さい」


こちらに言葉を出す時間を与えず、一方的に電話は切られてしまった。



彼女に一体何があったのか・・・



やはり向こうの野球部のエースと付き合っていて、昨日のことが知られてしまったのだろうか。



それでも、これからも二人は会えると思っていた。

それは、こちらの勘違いだったのか。
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