我那覇くんの恋と青春物語~桜沢紗希編~
胸の奥から、何かが込み上げてくるようだった。



いや、言葉では現せない何かが、確かに込み上げてくる。


「信じてあげて・・・紗希のこと・・・ね?好きなんでしょ?」


「えっ、あっ・・・はい」


「こらっ。男だったら、もっとはっきり返事する」


以前も同じように言われた気がする。

これだけでも十分に姫希さんは背中を押してくれ、二人を支えてくれている。



この人がさくらさんのお姉さんで良かった。



その横顔を見ながら、「はい」と力強く返事をした。


「ふふ・・・元気出しなよ。私、あなたたちのこと、応援するからね」


気がつくと、車は家の近くまで来ていた。



今は信じて待つしかない。



そう思い、もう一度拳に力を入れた。
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