我那覇くんの恋と青春物語~桜沢紗希編~
「どうしたの?」
思い出に浸っていたので何も話さなかったからか、彼女は心配そうに訊ねてきた。
「あっ、ごめん。ちょっと、初めて会ったときのことを思い出していて・・・」
「ええ、恥ずかしいよ。忘れてって、言ったじゃない」
「いいや、忘れないよ。海の忘れ物を届けに女子野球部の部室のほうへ行こうとしたら、男子のほうの部室から凄い物音がして・・・覗いたら、荷物の山の中に雪だるま状態でさくらさんがいたんだよね」
「もう・・・」
二人で思い出して笑った。
よくこうして二人で話して、色々なことで笑い合った。
それが、本当に突然・・・
「ごめんね」
「急にどうしたの?」
「黙って転校しちゃって・・・一緒にいるうちに、どうしても切り出せなくなって・・・」
本当に突然だった。
いつものように学校に行ったら、いきなり転校したと言われたのだ。
その前日も、普通に一緒に帰っていたので信じられなかった。
あのときは本当に寂しく、しばらく学校で何をしていたのか思い出せないくらい抜け殻状態になっていた。
けれど・・・
「そんなこと・・・全然気にしなくていいよ」
今はそんなことを話しても仕方がない。
こうやって暗くなるために電話したわけではないのだ。
思い出に浸っていたので何も話さなかったからか、彼女は心配そうに訊ねてきた。
「あっ、ごめん。ちょっと、初めて会ったときのことを思い出していて・・・」
「ええ、恥ずかしいよ。忘れてって、言ったじゃない」
「いいや、忘れないよ。海の忘れ物を届けに女子野球部の部室のほうへ行こうとしたら、男子のほうの部室から凄い物音がして・・・覗いたら、荷物の山の中に雪だるま状態でさくらさんがいたんだよね」
「もう・・・」
二人で思い出して笑った。
よくこうして二人で話して、色々なことで笑い合った。
それが、本当に突然・・・
「ごめんね」
「急にどうしたの?」
「黙って転校しちゃって・・・一緒にいるうちに、どうしても切り出せなくなって・・・」
本当に突然だった。
いつものように学校に行ったら、いきなり転校したと言われたのだ。
その前日も、普通に一緒に帰っていたので信じられなかった。
あのときは本当に寂しく、しばらく学校で何をしていたのか思い出せないくらい抜け殻状態になっていた。
けれど・・・
「そんなこと・・・全然気にしなくていいよ」
今はそんなことを話しても仕方がない。
こうやって暗くなるために電話したわけではないのだ。