我那覇くんの恋と青春物語~桜沢紗希編~
遠い距離
「おっ、ちゃんと電話したみたいだね」
朝、教室に入るなり、雅が笑顔で近づいてくる。
まだ何も言っていないのに、どうしてこいつはそんなに簡単に分かるのだろう。
「お前の顔を見りゃ、一発で分かるよ。だてに三年間一緒じゃないって」
悪ふざけで頭を撫でてくるが、自分のことのように嬉しそうな表情をしているので悪い気はしない。
二人でじゃれ合っていると、珍しく遅刻ぎりぎりで海が教室に入ってきた。
「海、ありがと。昨日、さくらさんに電話したよ」
「えっ・・・あっ、電話したんだ・・・良かったね」
いつもの満面の笑顔というわけではない。
どこか、ぎこちのない笑顔で自分の席へと向かっていった。
「お前なあ・・・今のはないだろ」
「えっ」
「まあ、それが分かったらお前じゃないか。お前や、お前の周りは本当に苦労するよ」
言われている意味が分からないまま、海のほうへと視線を向ける。
目が合い、笑顔を見せるが、やはりいつもと違った笑顔だ・・・
朝、教室に入るなり、雅が笑顔で近づいてくる。
まだ何も言っていないのに、どうしてこいつはそんなに簡単に分かるのだろう。
「お前の顔を見りゃ、一発で分かるよ。だてに三年間一緒じゃないって」
悪ふざけで頭を撫でてくるが、自分のことのように嬉しそうな表情をしているので悪い気はしない。
二人でじゃれ合っていると、珍しく遅刻ぎりぎりで海が教室に入ってきた。
「海、ありがと。昨日、さくらさんに電話したよ」
「えっ・・・あっ、電話したんだ・・・良かったね」
いつもの満面の笑顔というわけではない。
どこか、ぎこちのない笑顔で自分の席へと向かっていった。
「お前なあ・・・今のはないだろ」
「えっ」
「まあ、それが分かったらお前じゃないか。お前や、お前の周りは本当に苦労するよ」
言われている意味が分からないまま、海のほうへと視線を向ける。
目が合い、笑顔を見せるが、やはりいつもと違った笑顔だ・・・