マーメイドの私と王子さま
司会者の言ったセリフが頭の中を巡っていく。…私の恐れていたことが、現実になっているわ。パール国ってどこよ、私、行ったこともないし、王子の顔ですら見たことがないのよ…?絶対に嫌だわ、お父様に嫌だと伝えても覆らないことは分かってる。お姉様たちもそうだったから…。でも私は、そんな結婚したくないっ!!

私は会場がお祝いムード一色の中、どうにかお父様に見つからないように会場から抜け出した。すると、

「…どこへ行くのですか?シャルル王女」

っ!?突然知らない男に声をかけられ振り向くと、綺麗な白銀の髪を持つ、私よりも少しばかり年上に見える青年がいた。
< 4 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop