春の栞 〜また君に恋する

「え…。」
横を見ると、ちょっと私より背の高い、可愛い感じの男の人がいる。さっき乗ってきた私服の人だ…
私が驚いてぼうっとしていると、焦ったのかその人はちょっと困った顔をして

「ええっと、宮田しいなさん、ですよね…?」

もう一度、あらたまって私に聞いた。まずい、分からないと思われてる

「う、うん。ゆうくん?だよね…」

「そう!よかった!覚えててくれたんだ!」

そういって笑う。ホッとしたような顔で、目が合って、私は恥ずかしくなって微妙に笑う。

どうしよ、うまく笑えてるかな…?

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