春の栞 〜また君に恋する

「妹って…」

「ん?もしかして、俺が兄貴じゃ嫌?しいなちゃんも啓の方が良い?」

ちがくて!モテる男子は女心が分からないのかな?バカなのかな…

このバカ!って気持ちを込めて睨んでやる。真剣な表情でゆうくんが見つめ返してきた。私のなかで何かが吹っ切れた音がする

「ゆうくんの付き合う人って、よくお兄ちゃんのこと、好きになるんでしょ?」

ここで、私ならゆうくんを選ぶよって言っても、違う意味にっちゃうんだよね…妹として選ぶって意味じゃなくて、こう…

「私、ゆうくんの妹は嫌」

睨んだまま言ったせいか、予想以上にキツくなっちゃった。

「えっ…そっかぁ…。啓の方がイケメンだし頭も良いもんね。無愛想なのに、モテるんだよな~アイツ。分かっちゃいたけど何かショックだな…」

「で、でも!私が彼女ならね、絶対にゆうくんを選ぶよ。ゆうくんの方が兄貴よりイケメンだよ…!だからそんなに落ち込まないで…」

言った!言えた!

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