僕から、キミへ~anotherstory~
第1章 カイside
ガラッと音をたて教室へ入る。
誰もいないこの空間が僕のお気に入り。
机と机の間を縫うように歩き、
自分の机へと辿り着く。
机の上に肩にかけてある鞄を置いて、
中から教科書やノートたちを取り出して仕舞う。
重たくて、
学校のロッカーに仕舞いっぱなしの資料集たちを取りに、
教室の後ろに設けられたロッカーに取りに行く。
全ての授業の教科書たちを揃え終え、
そこでやっと席に着く。
あぁ…なんて幸せなんだろう。
ハルナさんたちは毎回こんなことをしていたのか。
何てことのない行動が嬉しくて、思わずガッツポーズを決めていると。
「何しているの?」
「ぅわっ!?」
いつの間にか教室に来ていて、
クスクスと僕の傍で笑っているのは。
「脅かさないでくださいよ…ハルナさん」
僕の大事な彼女である。
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