僕から、キミへ~anotherstory~
「ゲホゲホッ…ゴホッ」
保健室には誰もいなかったので、
あたしが体温計を探して渡してあげた。
その間も体温計を挟んでいる間も、
カイくんは咳をしていた。
『ピピピッピピピッ』
「鳴ったね。見せてくれる?」
渡された体温計に表示された数字を見て
――思わず体温計を落としそうになってしまった。
「38度5分…。カイくん熱あるよ」
「アハッ…どうりで熱いはずだ」
「寝てて寝てて」
笑い事じゃないのに。
あたしはカイくんを寝かせて冷えピタを探す。
冷えピタは見つからず、
代わりに透明な袋と氷があったので、
中に氷と水をいれて氷のうを作ってあげた。
…何故こんな原始的なんだろうか?