僕から、キミへ~anotherstory~







初めて作った氷のうを

カイくんのおでこに乗せてあげる。




…どうしてもズリ落ちてしまう。




結局あたしが支えることにした。


ずっと持っていると冷たくてたまらないので、
見つけた軍手をはめて持った。





「……ねぇカイくん」


「ん?」


「定期検査の結果ってどうなの?」


「別に…異常なしですけど」


「そっか。
薬はちゃんと飲んでる?」


「飲んでますよ」





生まれつき心臓が弱かったというカイくんは、

退院した今でも、

月に1回の定期検査と、
1日3度の薬を飲むことは義務付けられている。




「……ただ…」


「ただ?」


「僕…元々体弱いんで。

もしかしたら…こういう風邪は何度もあるだろうって」





カイくんは寂しげに呟いた。







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