僕から、キミへ~anotherstory~
暫くボーッとした頭で天井を見上げていると。
「カイー?起きてる?」
「起きてる……」
「ハルナちゃん来ているわよ?」
「え?」
近くに置いてあったスマホで時間を確認すると、
もう午後5時。
学校はとっくに終わっている時間になっていた。
…随分時間が経ったんだなぁ。
「どうする?
具合悪かったら帰るって言っているんだけど」
「平気…通してくれる?」
「わかったわ。
…カイにとってハルナちゃんが1番の薬だものね」
母は嬉しそうに笑うと部屋を出て行った。
1番の薬って…大げさなんだから。
まぁ嬉しいし…本当のことなんだろうけど。
両方の親公認で僕たちは付き合っている。
ハルナさんの両親はハルナさんに似て笑顔が素敵で。
僕との付き合いを快く許してくれた。
今ではお互いの父親同士母親同士が
子どもに内緒で食事に行くまで仲が発展している。
反対されなくて良かったな…。