僕から、キミへ~anotherstory~
第4章 ハルナside
「それじゃハルナちゃん、気を付けてね」
「はい。
お邪魔しました」
「また来てくれると嬉しいわ。
カイも喜ぶと思うから」
「はい、ありがとうございます」
カイくんによく似た美人なお母さんに別れを告げ、
あたしはカイくんの家を出た。
カイくんはカップケーキを平らげてくれた。
味見はしていないけど…美味しくないカップケーキを。
しかも嫌そうにではなく嬉しそうにだから、あたしまで嬉しくなってしまう。
優しくてかっこいい、紳士的な自慢の彼氏だ。
「さーて、編み物しなくちゃ!」
カイくんの家に行く途中で買った、
編み物の本や毛糸たち。
悩みに悩んで、カイくんに似合う色を見つけ購入した。
大きな出費はなく、良いお買い物が出来たと自己満足する。
「カイくん、喜んでくれるかなぁ」
周りの目を気にせず独り言を言いながら帰宅する。
カイくんの嬉しそうな顔を想像するだけで嬉しくなっちゃう。
早めに帰らなくちゃ!