僕から、キミへ~anotherstory~
次の日。
朝5時起きしたあたしは、急いで朝ご飯を食べる。
「ハルナ早起きねぇ」
「早めに学校行きたいからね」
お弁当を包んでくれるお母さんが笑う。
あたしも一緒に笑い返した。
カイくんは登校時間が早い。
いつも1番最初に到着している。
それよりもあたしが早く行き、誰もいない教室でプレゼントを渡すのが、
あたしの早起きの目的。
いつもより丁寧に髪の毛を梳かし、目立たない黒いリボンをつけてみた。
お化粧は校則で禁止されているから諦める。
だけど丁寧にリップクリームを塗り、プレゼントの入った袋を持った。
「行ってきまーす!」
「行ってらっしゃい、気を付けて」
お母さんに手を振り返し、あたしは学校への道を歩き出す。
早く、早く着かないと。
自然と小走りになる。
会いたいよ、カイくん―――。